英語ビジネスメールの書き方 <主文>
「書き出し」「主文」「結び」の3部構成になっていることが多いビジネスメールでは、主文はその中核部分にあたります。相手が読みやすい論理的な主文を書くためのポイントをご紹介します。
主文は 3 部構成だと書きやすいし読みやすい
メール本文は 3 部構成になっているのが一般的です。またそれぞれの部分でも下記のような構成で書くと、より読みやすいビジネスメールにすることができます。その中でさらに主文は 3 部構成となっているとなお読みやすいでしょう。
- 書き出し・・・「冒頭のあいさつ」「メール目的」の 2 部構成
- 主文 ・・・「状況説明」「願望」「問題解決」の 3 部構成
- 結び ・・・「結びのあいさつ」の 1 部構成
用件によって主文の書き方は千差万別ですが、主文を下記のような 3 部構成にすることを基本型にすると、英語のビジネスメールの上達の早道になります。
- 状況説明・・・まずは、あなたの現状を相手に伝えます
- 願望・・・次に、あなたが相手に望むものを伝えます
- 問題解決・・・最後に、相手にお願いしたい具体的なことを伝えます
主文のかんたんな書き方
内容によっては文章が長くなることもありますが、基本的には上記の 3 つの軸にすれば用件はしっかり伝わるでしょう。
英文を書くのにまだ慣れていないという方であれば、それぞれの部分を 1 文だけまず書いて、その 1 文に肉付けして文章を充実させ、それぞれ 1 文だったものをパラグラフに成長させるというやり方をおすすめします。
※初期の 1 文は各パラグラフのトピックセンテンスにすると良いでしょう。そのことで、各パラグラフの関連性を維持でき、論理展開が明確な文章を書けるようになります。
3 部構成を 1 文だけで書いた例
I ask you on Friday last week to finish the ABC project by August 29. 先週金曜日に、ABC プロジェクトを完了するように依頼しました
I would like to ask you to update me on your progress. 進捗状況を把握したいと思っています
Could you send me a short report by 3:00 p.m. today? 本日の午後 3 時までに簡単な報告書を送ってもらえますか?
3 部構成のパラグラフにして書いた例
I ask you on Friday last week to finish the ABC project by August 29. This deadline cannot be extended. 先週金曜日に、ABC プロジェクトを完了するように依頼しました。この締切は延長できないものです。
I would like to ask you to update me on your progress. We need to consider about something to prevent any delays. 進捗状況を把握したいと思っています。遅れを回避するために、何か考えて置く必要があります。
Could you send me a short report by 3:00 p.m. today? I would like to understand what we can do based on the report. 本日の午後 3 時までに簡単な報告書を送ってもらえますか?そのレポートを元に、私達の方でできることを把握したいとしたいと思います。
状況説明の書き方
ビジネスメールは、何かお願いをする時によく書くものです。相手にお願いをきいてもらえるように、まずは現在の状況を理由もふまえながら簡潔に書いていきましょう。願望との連携が取れていると良いでしょう。
- 締切が迫っている(状況)→ 進捗が知りたい(願望)
- 仕入れ商品を探している(状況)→ 商品情報を知りたい(願望)
- 上司の決済がおりなかった(状況)→ 取引条件を変更したい(願望)
- 作業を進めるのに苦戦している(状況)→ 専門家の助言が欲しい(願望)
- 返事がないとすすめられない(状況)→ 返信ができるだけ早く欲しい(願望)
- 予定の会議に出席できそうにない(状況)→ 会議の予定を変更して欲しい(願望)
願望の書き方
状況を相手に伝えたら、その状況なので相手にどうしてほしいかを伝えましょう。それであなたの希望する方向性を相手に理解してもらいます。問題解決との連携が取れていると良いでしょう。
- 進捗が知りたい(願望)→ 簡単な報告書を送ってもらう(問題解決)
- 商品情報を知りたい(願望)→ カタログを送ってもらう(問題解決)
- 取引条件を変更したい(願望))→ 価格を 10%下げてもらう(問題解決)
- 専門家の助言が欲しい(願望)→ 明日、助言の時間を 1 時間取ってもらう(問題解決)
- 返信ができるだけ早く欲しい(願望)→ 今日中に返信してもらう(問題解決)
- 会議の予定を変更して欲しい(願望)→ 1 日後に変更してもらう(問題解決)
問題解決の書き方
状況とその状況を変化させる方向性を伝えた後は、変化させるために具体的に相手に何をしてもらいたいかを伝えましょう。多くのビジネスメールで一番相手に伝え得たいことを言う部分になります。他の部分でもそうですが、ここでは特に、人物・物・数・日時・場所を具体的に書きましょう。よく使われるフレームワークが「5W1H」です。
- When:いつ(実行や期限などの具体的な日時)
- Where:どこで(具体的な場所)
- Who:だれが、だれに(主語と、動詞の目的語に具体的な人物)
- What:なにを(製品番号やその個数などを含めた具体的な物)
- Why:なぜ(「状況説明」「願望」で説明済み)
- How:どのようにして(問題解決の具体的な方法)
上手に英語のビジネスメールの主文を書くコツ(まとめ)
- 「状況説明」「願望」「問題解決」の 3 部構成で書く
- 各部分をまず 1 文だけ書き、その文をトピックセンテンスにして肉付けしていく
- 人物・物・数・日時・場所を具体的に書く
- 商品名・個数・価格・日時・場所・条件などを伝えるときなど、項目・要素が多くなる場合、文章よりも箇条書きにする
- 不必要と思われる文は削除し、できるだけ簡潔な文にする