英語ビジネスメールの書き方 <基本ルール>
英語で書くビジネスメールには基本なルールとマナーがあります。仕事でビジネスメールを書く必要がある方へ、押さえておいたほうがよい基本のポイントをご紹介します。具体的には「なるべく簡潔に伝える」「情報を盛り込みすぎない」などです。
英語の文章を書く時の基本ルール
ビジネスメールと言えども、英語の文章のひとつです。なので、英語の文章を書くときの基本ルールを押さえるところから始めましょう。ルールの中核となっているのは「いかに相手にわかりやすい文章を書く」という点です。
英語を使う人にとってわかりやすい英語の文章とは
日本語の文章は、比較的自由な文章構造で書かれます。一方で英語圏では初等教育の段階から徹底して一定のルールの文章構造を叩き込まれます。英語を使う人は小さいことから馴染んだ文章構造があることから、そのルールに乗っ取り書かれた英文は自然と「わかりやすい文章」になります。
英語の文章は結論・理由・まとめの順番で書かれます。「CCF の法則」とも言われます。CCF とは「Conclusion Comes First」の略で「結論は最初に言おう」の意味になります。 ###わかりやすい英文を書くための具体的なテクニックとは
「結論を最初に言おう」の姿勢は、文章・パラグラフ・センテンスの各単位で貫かれているものです。具体的には下記のテニックを使いこなすことで、自然とわかりやすい英語の文章が書けるようになります。
- 一つのセンテンスに含める内容を一つだけにする (一文一意)
- 一つのセンテンスのワード数が 15 ~ 25 ワードまでの短いものにする
- できるだけ主語・動詞・目的語を近接させる
- できるだけ能動態を使う(受動態を使ったほうが良い場合もある)
- 一つのパラグラフを、一つのトピックで書く
- 一つのパラグラフを、1 ~ 5 センテンス程度で書く
- パラグラフの最初の文を、パラグラフのテーマを表すトピックセンテンスにする
- パラグラフの最初と最後の文を、短めのセンテンスにする
- 適切な接続詞を使うことで文章のロジックを明確にする
- 商品名・個数・価格・日時・場所・条件などを伝えるときなど、項目・要素が多くなる場合、文章よりも箇条書きにする(箇条書きの書き方)
- イギリス式とアメリカ式どちらかに統一する
英語のビジネスシーンにおいてよく使われる文章構造とは
わかりやすい英語の文章の書き方をひと通り見てきましたが、ビジネスシーンにおいては上記のものよりさらに簡潔かつ説得力のある文章を作成することが求められます。ビジネスにいてはまさに「タイム・イズ・マネー」の観点から、相手の時間を奪わないことが求められるからです。
自然とその要求に応じるためのメソッドが数多く作られてきました。「PREP 法」「SDS 法」「DESC 法」などがあります。ここでは英語のビジネスメールと相性が良い「PREP 法」をご紹介します。
英語のビジネスシーンでよく採用されている PREP 法とは
PREP 法とは、文書やプレゼンテーション等における文章構成方法の一つです。主にビジネスシーンで用いられる文章構成方法であり、簡潔かつ説得力のある文章を作成する際に用いられます。「PREP」とは以下の
- P = Point(結論)
- R = Reason(理由)
- E = Example(事例、具体例) vP = Point(結論を繰り返す)
の頭文字を取っています。
- 最初に結論を伝え、
- 次にその理由を説明、事例で理由を補強し、
- 最後に結論を再度提示するストーリーを展開する
という構造になっています。忙しいことが多いビジネスシーンでは結論を先に求められる場合が多いことから PREP 法はビジネスシーンに適しています。この PREP 法を原型として、英語のビジネスメールを書く時の基本ルールとマナーをご紹介していきます。
英語のビジネスメールを書く時の基本ルールとマナー
英語のビジネスメールはある程度フォーマット (型) が決まっています。その型の沿って書くことで、効率よく書くことも、相手に読みやすいように書くことができます。さらに
- 相手が読みやすい
- 素早く反応してくれる
- 良い印象を与える
といった書き方の基本ルールとマナーをご紹介します。
英語のビジネスメールを書く時の基本ルール
3C の法則を守る
英語のビジネスメールの基本ルールは、3C の法則を守ることです。3C とは
- Clear (明確に!)
- Correct (正確に!)
- Concise (簡潔に!)
の頭文字を取っています。それでは、ひとつずつ説明していきましょう。
「Clear」とは「理解したり、見たり、聞いたりすることが容易であること」を意味します。論理的なことを含めメールを Clear に書くことが、上記の目的を達成するために一番大切です。メールを Clear に書くのに、具体的には下記のテクニックを使います。
メールの「目的」をクリアに
- ひとつのメールには、ひとつの話題だけに絞る(返信は件名を変えない)
- メールを出す目的と、相手にしてもらいたい行動を短い文で書く
- 事実と意見を同じ文の中に書かないようにする
メールの基本構成(フォーム)を守る
- 件名(メールの目的を簡潔に書く)
- 書き出し(頭語 [宛先など] とメールの目的を伝える 英文構造でいう結論部分)
- 本文(状況説明 [背景・理由含む] ・願望・問題解決の 3 部構成で書く)
- 結び(結びのあいさつと結語)
署名(名前・役職・社名・住所・電話番号・e メールアドレス・ウェブサイト URL など)
相手に具体的な行動を促す場合、誰が、何を、いつまで、どういう方法でするのかを明確に伝えましょう
「Correct」とは「事実に基づいており、間違いが一切ないこと」を意味します。ビジネスシーンにおいてはなにより正確さが大切になってきます。特にメールは形として残るものですから、メールの内容の正確さには十分気をつけたいものです。メールを Correct に書くために、具体的には下記のテクニックを使います。
- 短く簡潔に書く (短く簡潔なほど間違いが減り、見直しが楽になる)
- 必ず見直しをする(特に数字の部分 [英語の数字の書き方] )
- 文法・スペルチェックツールを活用する (Grammarly など)
「Concise」とは「不要な言葉を一切使わずに、必要なことが全て網羅されていること」を意味します。具体的には下記のテクニックを使います。
- シンプルな言いまわしを使う(グロービッシュなど)
- できるだけ代名詞は避けて、人や物を具体的に書く
- できるだけ能動態を使い「誰が」「何をする」を明確に書く
- できるだけ関係代名詞を避けて、短い文に分割して書く
- できるだけ仮主語(It)の多用を避けて書く
英語のビジネスメールを書く時のマナー
相手が読みやすいメール文を書いて、さらに相手に失礼にならないためのマナーを押さえることができればなお良いでしょう。相手に良い印象を与えることができれば、素早い対応も期待でき、その後の商談もスムーズにいく確率がぐっと高まります。
フォーマルな英文を書こう
- 短縮形を使わない(「I am」を「I'm」などにはしない)
- 慇懃無礼にならない程度に、丁寧な表現を心がける
- スラング(俗語表現)や口語でのみ用いられる表現は避ける
- 略称は正式名を案内してから使い、2 度目以降からは省略 US (United States) など
- ネイティブ相手の場合、句動詞の使用をできるだけ避ける
ポジティブで相手を思いやる表現を心がける
- 否定表現はなるべく使わない(no や not の使用はできるだけ避ける)
- 丁寧な表現を心がける(英語は婉曲的な表現を用いることで丁寧さを表現する)
- ポリティカル・コレクトネスを遵守する(Salesman → Salesperson など)
- 相手の行動を指摘する場合、You を主語に使うのはできるだけ避ける
相手との距離感と丁寧さの度合い(Level of Politeness)を適切に保つ
- 顧客 + 依頼 = フォーマル
- 上司 + 依頼 = フォーマル
- 同僚 + 依頼 = ニュートラル
- 部下 + 依頼 = カジュアル
返信はなるべく早く返す
ビジネスシーンでメールの返信を行うのは、原則的に 24 時間以内に行うのが良いでしょう。返信までの時間が短かければ短かいほどよいです。返信するまでに時間が掛かりそうな場合、メールを受け取った旨といつまでに返事をするかだけをメールで伝えておくと、相手に親切でしょう。
上手な英語のビジネスメールを書くコツ(まとめ)
- 英文の基本の型を忠実に守る
- 相手にわかりやす論理的な英語を書くように心がける(論理的な英語とは)
- ひとつひとつの文も結論から組み立てる(結論は最初に言おうが大事!)
- 相手のことを気遣うような内容にする(マナーを守ったわかりやすい文にする)
- 使えるテンプレートやフレーズを保存して使い回す(英借文する)
- 機械翻訳を使う場合、翻訳しやすいような日本語を作る
- メールが長くなってきたら、そのメールが間違っていると思った方がいいです