知的生産のすすめ [I/O]

英語ビジネスメールの書き方 <件名>

英語のビジネスメールを書く際に、最初に気をつけたほうが良いのは「件名」です。せっかく良いメールを書いても件名が悪ければ、そのメールが読まれないこともあります。件名を書く時に押さえておいたほうが良い点と、避けた方がよい点をご紹介します。

良い件名にするためのポイント

相手はまず件名を読んで、そのメールが重要な内容かどうかを判断します。良い件名を書くことで、確実に読んでもらえ、素早い返事も返ってきて、さらに後ほど検索しやすくなることにもつながり、お互いの業務効率を向上させることができます。

それでは「良い件名」とはどのようなものでしょう?それは、ひと目で内容が伝わり、相手が何をすれば良いかを理解できるものです。基本的には「簡潔」で「明確」なものにすることです。以下のテクニックを使って良い件名を書いてみましょう。

  • 「明確」にするために 1 メール 1 トピックの原則を守る
  • 「簡潔」にするために単語数を 6 ~ 8 語程度に抑える
  • 「読みやすいように」ヘッドラインスタイル (Headline Style) で書く
  • 安心感のある定番フレーズを使う
  • 具体的な期日や日付がある場合は、件名にも日時を記載する
  • 強調したいことがあるときは【】(墨付きカッコ)を使う
  • 定例メールは件名を固定する

ヘッドラインスタイル (Headline Style) の書き方

ヘッドラインスタイル (Headline Style)とは、英語圏の新聞などの見出しで使用されるスタイルのことで、下記のように書くことで読みやすくするという目的で使われます。件名も新聞の見出しと同じような用途で使われることから、同じスタイルを採用するのが一般的になっています。

  • 冠詞 (a や the) を省略する
  • 単語の頭文字を大文字にする (前置詞、接続詞、冠詞を除く)
  • ピリオドを省略する

例: Invitation to Meeting on August 24th 8 月 24 日の会議へのご招待

定番フレーズを使った、あいまいな表現を避ける書き方

定番フレーズを正しく選ぶことで、可読性が向上します。英語のビジネスメールの定番フレーズの基本形は下記のものが一般的です。

名詞(定番キーワード)+ 前置詞 + 名詞(定番ワード)+ 追加情報(日付などの修飾語)

例: Inquiry + about + Your Product + (Product Number: Ex-8000) 御社の製品(製品番号: Ex-8000)に関する問い合わせ

定番フレーズは、定番キーワードと前置詞のセットでできていることが多いです。そのセットに定番ワードを組み合わせることで、柔軟に「簡潔」で「明確な」件名を書くことができるでしょう。あとは必要に応じて追加情報を付け加えれば完璧な件名になります。

本ページに「用件別の定番フレーズ」をまとめておきました。よければ参考にしてください。

墨付きカッコ 【】を使った、強調したいことがある場合の書き方

すべてのメールには使えませんが、ここぞという時に自分のメールを強調したいときは、件名の一番はじめに【】を使うと良いでしょう。いくつかの代表的な使い方をご紹介します。

重要であることを強調したい時【Important】

【Important】Notification of Revised Terms of Service 【重要】利用規約の改訂のお知らせ

緊急であることを強調したい時【Urgent】

【Urgent】Cancellation of Our Order (Product Number: Ex-8000)

【緊急】私達の注文の取り消し (製品番号: Ex-8000)

再送であることを強調したい時に【Resend】

【Resend】Arrangements for flights to UK

【再送】イギリスへの航空券の手配

リマインダーメールであることを強調したい時に【Reminder】

【Reminder】Question about tomorrow schedule 【リマインダー】明日の予定に関する質問

【Reminder】Confirmation of Our Order on August 28th 【リマインダー】8 月 28 日の注文確認

【Reminder】Application Deadline for Disaster Prevention Seminar 【リマインダー】防災セミナーの申し込み締め切り

※リマインダーメールは「1 度送った内容を思い出させるメール」のことです。主に以前置送ったメールの返信の催促や、特定の日にち(締切り日や、約束の日締め切り日)を思い出させたりするのに使います。リマインドする際は、相手との関係を保つためにもオブラートに包んだ、温かみのある言い回しを使った方が良いでしょう。

返信不要であることを強調したい時に【NRN】

【NRN】Reminder about Tomorrow Meeting at Our Company 【返信不要】当社での明日の会議に関するリマインダー

※NRN は「No Reply Needed」の略で「返信不要」を意味します。

参考資料であることを強調したい時に【FYI】

【FYI】Sharing Information about ABC Company Opening New Office in Tokyo

【参考までに】ABC 社の東京の新オフィスオープンに関する情報共有

※「FYI」は「For Your Information」の略で「参考までに」を意味します。目上の人に対して気楽には使いません。重要ではないけど知っておいたほうが良いかもという業務に関係ある情報を、同僚や部下間で情報共有したい場合に良く使われます。

悪い件名にならないためのポイント

良い件名は、相手の時間と労力を節約するものです。悪い件名とはその反対に、相手に負担をかけるようなものになります。具体的には下記のような件名です。

  • 件名を書かないこと (無題) ・・・失礼にあたります
  • すべて大文字で書く・・・失礼にあたります(強調したい場合【】で)
  • 【】を使いすぎる・・・ここぞというときに使うほうが有効的です
  • 長過ぎる件名(10 語以上)・・・相手がひと目でわかるように 8 語までが良いでしょう
  • 短すぎる件名(3 語以上)・・・定番フレーズ(2 語) + 目的(1 語) が最小
  • 返信する時、件名を変更する
  • 機種依存文字の利用は避ける・・・特殊記号 (通貨記号や単位 [㎠] など)
  • スパムと間違えられる表現を避ける・・・迷惑メールフィルターで除外されます

※スパムと間違えられる表現は下記のようなものがあります

Hi! / Hi there! / Hello! / Call now! / Free! / Good news! / Hurry! / Congratulations!

Call now / special / help / discount / Good News / New Product

ビジネスシーンでよく使われる件名(用件別)

初めての相手へのメールする時

Introduction – Taro Yamada, ABC Company 初めまして – 山田太郎です(自己紹介一般に使えます)

Introduction – Taro Yamada, ABC Company by Koji Tanaka, XWZ Company 初めまして – XWX 社の田中浩二氏から紹介されました、ABC 社の山田太郎です

Greetings – Takako Sasaki, ABC Company ABC 社の佐々木貴子よりご挨拶を申し上げます

Met You Yesterday at Exhibition – Taro Yamada, ABC Company 昨日の展示会でお会いした ABC 社の山田太郎です

※スパムメールと認識されないように自分の名前と社名を入れると良いでしょう。

お願いをしたい時 (依頼・取消・助言・支援)

  • Request for ◯◯ (~の依頼)
  • Order for ◯◯ (~の注文)
  • Cancellation of ◯◯ (~の取消)
  • Need Your Advice for ◯◯ (~に関するあなたの助言が必要)
  • Need Your Help in ◯◯ (~でのトラブルであなたの助けが必要)

Request for Price Quotation of Ex-8000 Ex-8000 の見積りの依頼

Order for Ex-8000 Ex-8000 の注文依頼

Cancellation of Ex-8000 Ex-8000 の注文取消

Need Your Advice for Problem at Marketing Activities マーケティング活動の問題であなたの助言が必要

Need Your Help for Trouble with Customers 顧客とのトラブルであなたの助けが必要

伝えたいことがある時 (報告・連絡)

  • Notification of ◯◯ (~のお知らせ ※主にひとりに必ず伝えたいというニュアンス)
  • Announcement of ◯◯ (~の発表 ※主に多くの人に告知したいというニュアンス)
  • Change of ◯◯ (~の変更 ※変更があったことの連絡)
  • Report on ◯◯ (~の報告 ※報告するときに使う) vFollow-up to ◯◯ (~に対する経過報告 [続報や情報更新])
  • Sharing of ◯◯ (~の共有 ※同僚や部下と情報を共有したい時に使います)

Notification about Meeting Schedule on August 25th 8 月 25 日の会議予定のお知らせ

Announcement of Change of Our Office 事務所移転のお知らせ

Change of Friday Meeting Time 金曜日の会議時間の変更

Report on survey of Sales Data for Previous Fiscal Year 前期の売上データの報告

Follow-up to Our Meeting of March 15 3 月 15 日の会議の経過報告

Sharing of information about Civil Code Revision 民法改正の情報の共有

聞きたい時 (質問・問い合わせ)

  • Question about ◯◯ (~に関する質問 ※ピンポイントな事柄に対して)
  • Inquiry about ◯◯ (~に関する質問 ※Question より少し幅広いニュアンス)
  • Request for ◯◯ (~に関する資料の要請)

Question about Meeting on July 23rd 7 月 23 日の会議についての質問

Inquiry regarding Your Company’s Services 貴社のサービスに対する問い合わせ

Request for Your Product Price List 御社の製品価格リストの要請

確認をしたい時 (確認・再確認)

  • Confirmation of ◯◯ (~の確認)
  • Reconfirmation of ◯◯ (~の再確認)

Confirmation of Order Number (Ex-8000) 製品番号の確認 (Ex-8000)

Reconfirmation of Procedural Flow on This Friday Meeting 今週金曜日の会議手続きの流れ再確認

お礼をしたい時 (感謝)

  • Thank You for ◯◯ (~ありがとうございました)

Thank You for Your Visit Today 本日はご足労いただき、ありがとうございました

Thank you for Your Prompt Reply 迅速な返信ありがとうございます

謝りたい時 (謝罪)

  • Apology for ◯◯ (~の対するお詫び)
  • Sorry for ◯◯ (~の対するお詫び [少しカジュアル])

Apology for Delivery delay (Product Number: Ex-8000) 納品遅延をお詫びいたします (製品番号: Ex-8000)

Sorry for Not Writing You Soon すぐに返事できなくてすみません

アポイントを取りたい時 (商談・営業・会議)

  • Request for Appointment to ◯◯ (~のためのアポイントメントの依頼)
  • Visit to Your Company to ◯◯ (~のための訪問)
  • Request for Meeting to ◯◯ (~のための会議の依頼)

Request for Appointment to Discuss about New Project 新プロジェクトに関するお打ち合わせのためのアポイントメントの依頼

Visit to Your Company to introduce Our New Product 当社の新製品のご紹介での貴社への訪問

Request for Meeting about Budget of Office Relocation 事務所移予算に関するミーティングの依頼

不満を言いたい時 (クレーム)

  • Complain about ◯◯ (~に関する苦情)
  • Problem with ◯◯ (~で問題あり ※問題点を指摘する時に使います)
  • Error in ◯◯ (~の間違いあり ※間違っていることを指摘する時に使います)

Complaint about Shipment Delay (Product number: Ex-8000) 納品遅延に関する苦情 (製品番号: Ex-8000)

Problem with about Your Product Quality (Product number: Ex-8000) 御社の製品に問題あり (製品番号: Ex-8000)

Error in invoice No.2378 請求書 (No.2378) に問題あり

その他

  • Proposal for ◯◯ (~のご提案)
  • Invitation to ◯◯ (~への招待)

Proposal for Developing Your Business in South-East-Asia Region 東南アジア地域でのビジネス展開のご提案

Invitation to the 10th Anniversary Party 10 周年記念パーティへの招待

ビジネスシーンでよく使われるワード

Invoice (請求書) / Quotation (最終見積もり) / Estimation (概算見積もり)

Payment (支払い) / Order (注文) / Change (変更) / Reservation (予約) / Payment (支払い)

Order Number (注文番号) / Reservation (予約) / Confirmation (確認) / Delivery (納品)

Delay (遅延) / Shipment (出荷) / Mistake (間違い) / Arrangement (手配) Price (価格)

Appointment (約束) / Reference (参照) / Update (更新) / Budget (予算) /

上手な英語のビジネスメールの件名を書くコツ(まとめ)

ビジネスメールの件名は、内容が一目でわかるように具体的かつ簡潔に書くことが大切です。特に相手に手間をかけずに理解してもらうことが重要なため、受け取る側の立場にたって、わかりやすい表現を工夫しましょう。

  1. 明確・簡潔を心がけ、相手が読みやすい件名にする
  2. 英語のメール件名で使う定番フレーズを忠実に守る
  3. 英語のメール件名のアンチパターンを避ける
  4. フレーズだけでなく、単語も英語のビジネスシーンで使われる定番ものを使う
2020/07/15英語で書くビジネスメールには基本な構造とレイアウトがあります。「英語のビジネスメールの基本ルール」と組み合わせることで、相手が読みやすく、素早く反応してくれるメールにすることができます。そのために押さえておいたほうがよい基本のポイントをご紹介します。
2020/07/15一般的に、手紙は頭語で始まり結語で終わります。英語のビジネスメールではその習慣を引き継がれています。英語のメールでは「拝啓」などではなく、基本的に宛名を書くのに使われます。ここでは英語圏での「頭語 (宛名)」の基本的な書き方をご紹介します。
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